さとう式リンパケアの基本
2023/09/02
【さとう式の理論(Theory)】
さとう式リンパケアの基本①
このさとう式リンパケアは、名古屋市の歯科医が考案したものです。
今回は、さとう先生がなぜこのケアに行きついたのか?とそのセオリーを勉強してみたいと思います。
【さとう式リンパケアのプロフィール】
さとう先生は長年歯科医として顎関節症の治療に携わってこられました。
顎関節症というのは、顎を動かす筋肉やその周辺に痛みを感じて、顎がうまく動かなくなる症状のことです。他にも顎が鳴る・口が大きく開かないという症状もあります。
これらの症状は当然、歯科治療を困難にするものでもあります。
先生は開業以来、主に咀嚼筋のマッサージや指導に取り組んで来られました。
しかし、そのマッサージは時として症状を悪化させてしまうことがあったのです。そこである時、試しにマッサージの力を緩めてみました。すると不思議なことに、患者さんの症状がどんどん改善していったのです。
力を弱くすればするほど効果があったのです。
「固くなってしまった筋肉を緩めるには、弱い力の方が効き目がある‼」
弱くすることにどういう意味があるのかというと、筋肉が弛緩するのです。
どんなに強く締めた靴紐でも、ほどくように揺すってあげれば、自然に緩みます。
『押さない・揉まない・引っ張らない』さとう式リンパケアの根本理念の誕生でした。
ちなみに、多くの書籍出版・メディア出演もされております。
【「筋ゆる」の約束8ヶ条】
ステーキ肉は火を加える前に、肉叩きでバンバン!筋肉細胞を破壊して柔らかくします。
でも、生きている人の筋肉は押したり引っ張ったり叩いたりしても固くなるだけです。
悪化や揉み返しの元にもなります。
そこで「筋ゆる」の効果を最大限に得るための約束8ヶ条を紹介いたします。
①【軽く触れる】
揉まない、押さない。ごく弱い力で軽く触れるだけ。20g以下(食パンに掌で触れへこまない位)という力で触ります。これだけで筋肉は十分緩みます。
②【揺らす】
端からそっと揺らすだけで、緊張で動かなくなった筋肉を再起動させます。
引っぱられて緊張している筋肉は少し緩めながら揺らすと徐々に弛緩していきます。
③【力を入れて力を抜く】
筋肉には力を入れる命令系統はありますが、力を抜く命令系統はありません。
つまり筋肉を緩ませる単独の動作はないということです。ですからいったん力を入れて抜くという反動を使うのが有効です。
➃【息を吐く】
筋肉を緩めるためには、呼吸の仕方も大切なポイントになります。
息をゆっくり吐くと副交感神経が優位となり、それだけで身体の力が抜けていきます。
⑤【バランスをとる】
身体のバランスが前後か左右に崩れていると、筋肉がその一方に引っ張られるので過緊張を引き起こしてしまいます。身体を筒状にするように意識してバランスを保ちます。
⑥【同期同調を利用する】
ひとつの組織を揺らすと、その隣の組織も同様に揺れ始めます。これが「同期同調」です。周辺の組織を緩めれば対象の筋肉も緩めることができるのです。
⑦【ゆる~い言葉】
身体もこころと同じです。言葉によって緊張も弛緩もします。「ふにゃふにゃ~」「だら~ン」といった言葉を意識して口にすれば、筋肉も緩めることができます。
⑧【「揉まない・押さないい・引っ張らない」】
これまで挙げた①~⑦の基本動作はすべてこの「押さない・揉まない・引っ張らない」で行うことが絶対条件です。揉んだり、ストレッチしながら揺らしたり息を吐いても効果はないのです💦
ここで皆さんは何か感じませんか?
わたしは初めてこのリンパケアを体験したとき、睡魔に襲われセラピストの声を聴きながら「あ~💖 これは生き方だなぁ~」と感じたのです。
【ちょっと待って!「リンパ」はどこに出てくるの?】
ここまで読んでくださった皆さんの中で、リンパケアの「リンパ」はいつ出てくるの?という疑問は湧いてきませんか?
「筋肉とリンパと何の関係があるの?」と言う疑問です
筋肉を緩める説明を受けた時、無知な私はまずそこで思考が止まったのを覚えています💦
ここで、さとう先生がFbに投稿したヒント!を紹介しますね
《筋肉は毛細血管が多くて、毛細リンパ管が少ない。
真皮では毛細血管が少なく、毛細リンパ管が多い!
白血球を含んだ体液は筋肉から真皮に向かう。》
ふ~ん💦解った様な解らない様な・・・そこで更にFbの深堀
《筋肉は拡張と収縮を繰り返して毛細血管から血漿成分と白血球と血小板と少量のタンパク質を吸い出して、9割の水分は毛細血管に押し戻し、残りの血漿成分と白血球と血小板と少量のタンパク質を筋肉外に押し出します。この押し出された水分は「※ファシア」という綿状の組織をちょろちょろと通過して真皮に辿り着き、真皮内にある毛細リンパ管の隙(蓋)が開いたときにのみ流れ込みます。》
でも、このポンプ機能は柔らかい筋肉が本来の能力を発揮しているときのケースです。疲労して硬くなった筋肉は体液(間質リンパ)を必要に応じて吸い上げることができないばかりか、毛細血管が吸い上げられない細胞間の老廃物(細胞の死骸やがん細胞・ウイルスなどの異物も含まれています)の濃度は高くなり、細胞間は多量のゴミ屋敷になってしまうのです
皆さんここまでついて来れていますか?💦
というか皆さんにとっては承知の知識なんでしょうか?💦
はい、ここまででザックリ筋肉とリンパの関係や筋肉を緩める理由が分かったところで
次は、昨今少しづつ明らかになて、とうとうNHKの番組でも取り上げられた
【リンパ】の正体について深堀していきたいと思います💖
次は、「さとう式リンパケアの基本」② に続きます
ファシアイメージ図
【皮膚・脂肪・腱等を繋げるファシア】
※「ファシア」(Fascia)とは「膜」のことで臓器・筋肉・脂肪・靭帯・血管・神経などの組織を覆う膜の総称です筋膜リリースでおなじみの「筋膜」もファシアの一つです。ファシアは全ての組織同士を分割かつ結合させています。
リンパケアはこのファシア機能の改善を促す。
ファシア画像
【健康なファシア画像】
外腸骨静脈を覆うファシア(上)と肩関節上方部のファシア(下)
毛細血管から出た体液(間質リンパや細胞間の老廃物)の通り道。歪みや癒着によって痛みや制限が出現する。近年では人体の大切な臓器として認知されている。